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やばい話

ダンナです。


もう、なんていうかね、最高です。ちょっと前までは嫁と一緒にバイクで出かけるなんてーと

後ろに乗っけてまとめて行ってたんですが、今日は初めて近所のバイク用品店に

それぞれのバイクに乗って行きました。

やっぱり、「こーいう時はこう走るんだよ」

という風に、シチュエーションごとの交通ルール(不文律含め)教えるんですが、

路上を数十キロで走っていると、いろんな事件に遭遇します。

ワタスも自動二輪に乗って5年になりますが、ここで過去の事件をひとつ。



先日、前から考えていたネタを路上でやってしまった。

国道を走っている右翼の街宣車。

爆音でよくわからない歌を流してゆっくり走っているのです。


いやあ、うるさいですね毎度毎度。音域によっては気が狂いそうです。あの昭和調満点のストリングスの音。あの音域は爆音だと耳にきます。




まあ彼らだって、この言論自由国家のバランスをとるためには存在意義があるし、ウンコ左翼の相手もしてくれているので、右翼の街宣活動自体には割りと理解あるほうだったんです。


が、


追い抜きした瞬間、あまりの爆音で耳がキーン!となって。

スタン・グレネードを喰らったかのような状態になりまして。

ここはシャドー・モセス島かと。俺は視界が狭すぎるゲノム兵じゃねえんだと。


ブチギレですよ。久しぶりにブチ切れました。


おいてめえら!

スキンヘッドは立派だが髭じゃ負けねえぞコラ(間違い)

貴様らの思想を否定はしないが、人に、いや俺に迷惑をかけるでねぇ!!

耳がキンキンしてよく聞こえねえんだYO!サングラス取ってみろ!


意外と人懐っこい目なんだろ?

ホントは、いいひとなんだろぉぉぉぉ!?



と、頭の中で俺はいっぱしの闘士ばりの罵詈雑言を並べたんですが、いかんせん街宣車がイカツすぎます。窓に格子ついてんの。格子の目が細かいの。昼間なのにヘッドライトついてんの。


が、何故か今日は小市民であり続ける事を俺の脳が拒否しております。


ここはひとつ、主張あるのみ。

貴様ら尖閣諸島にも上陸できずに何が右翼じゃああ!

え、ワシ?ワシは庶民だから。

納税して働くだけの人間だから。

でも君らうるさいから。現に今、耳痛いし。

そこで、前から考えていた方法でイカつい街宣車に、あくまでピースフルなメッセージを送ってみることにした。これ、今カメラ回したら軽いショートフィルムになるんじゃね?


戦車の如くのっそりと走行する街宣車の前に出る。

追い抜く時、ドライバーの顔を盗み見る。

・・・ヤベえ、グラサンでボウズでチョビ髭だ。白い特攻服みたいなの着てるし。


俺が唯一勝ってるのは髭の長さです。でも、彼の髭のほうが整ってます。やっぱり負けてるわ。


いいやでもここでへこたれるわけにはいかんのです。作曲中のバンドメンバー以外の人間にブチ切れするのは久しぶりです。



街宣車の前にしゃしゃり出て、速度を合わせる。


案の定、一番左のレーンを走る街宣車の前に車は走っておりません!

路駐車両もおりません!

オールグリーン!作戦決行!!



ヘルメットのバイザーを上げて、左手の人差し指を立てる。

そして「笑顔で」ゆっくりと振り返り、人差し指を口の前に。



必殺!!


「シーッ」のポーズ!!




・・・・・




どうだ!?



どうなんだ俺!?



何年も暖めていたネタだったんだが、どうだったんだ実際俺?



かっこわるすぎないか!?



永遠にも感じられる数秒の空白。



もうそろそろ逃げ出そうと思ったら



なんと!!




街宣車の歌が止まったぢゃないですか!!!!!!




勝訴ですか!!




しかも!!




その数秒後!!!



マイクで、ちょっと笑った声でアナウンス!!




「ごめんな兄ちゃんw」




キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!




しかも、侘び入り!!!



俺は途端に嬉しくなってしまい



もう一度振り返り


ピースサイン(人差し指と小指と親指のほう。かっこわる)を出して!!



人に言えない速度で逃走!!




しかも!!




よりによって!!



っつーか、いつもいるから知ってたんだけど!!




白バイに見つかり!!





あえなく御用!!





警官に29キロオーバーにしとくよ~ん、とフレンドリーに言われ!!






そして!!!





6時方向からは追い抜いた街宣車がアプローチしてくるであります(>Д<)ゝ”





どうするアイフル!?






はさみ将棋だったら、俺死ぬ位置です!!






そこでしかも!!!






街宣車が俺らの後ろで停車!!!





ヤラレル━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!







そしてそして!!




街宣車にクギ付けになった警官をよそに!!




スキンヘッドとパーママン(パンチ)が降りてきて!!




俺の心臓は!鼓動というかスレイヤー並みのBPMに!!


ハウメニピーポーアイキャンキール! (by SLAYER)


(ちなみに、警官と俺の会話は中断したまんま)




そして注目の、スキンヘッドの第一声は!!




「おまわりさん、その人捕まえないでください」




エ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!?



「実は、自分らの車とさっきぶつかりそうになって、俺が拡声器使ったら逃げてったんスよ。だから、その子悪くないです。危険回避です。」



か、かばってくれてる!?



すると警官が!!



「あ~じゃあ、君は危険回避したって事?」



俺は何を言おうか考え込んでしまう!!


今ここで「危険回避です。押忍。」と言ったら、右翼にケンカを売る事にならないか?(もう売っているじゃないか説浮上)


そしたらスキンヘッドが!!


「いや~、僕らどう考えたって怖いですもん。逃げますよ普通。ペッ(唾を吐く音)」



そしたら警官も、「事故の危険回避ということにしておくから。気をつけてよ。もう行っていいよ。」



と、いかにも関わりあいたくなさそうな様子で、さっさと出発!!まだ免許も提示してないのに!!俺が無免だったらどうするんだと。まあいいや。



そして、残されたスキンヘッドとパーママン2人(一人は俺ね)。



すると、俺じゃないほうのパーママンが口を開く。



「兄ちゃん、面白いねえ。初めてだよ。ウチらにシーッ!てしてきたヤツは。」



俺「あざーっす。俺も冗談のつもりだったんですけど・・・」


パーママン「いや、ウケたよ実際」


俺「助けてもらってありがとうございます・・・」



パーママン「おう、いいのよ。相当笑ったから。あん時、兄ちゃんのすげえいい笑顔だったぜ~w」


俺「イ、イーッス(怖)」


パーママン「ウチら、●●●●社っての。兄ちゃんみたいな度胸のあるヤツ好きだから、何か困った事あったらいつでも言ってきて。俺、●●の●●って名前。」


俺「イ、イーッス(ちびりそう)」



パーママン「じゃ、行っていいよ」



俺「イ、イーッス。し、しつれ~します。」



俺は緊張しすぎてたようで、気付いたら親指のささくれを思いっきり引っぺがしていた。血が出ていた。なんて小心者。


ヒリヒリしたので、親指を口に含み、唾をつける。


血の味がした。



戦いの後の、血の味(つーか死ね俺)。





ある日曜日の午後。東京北部でいきなり街宣車の歌が止まったのに気付いた方。


どうも、僕です。

精一杯な僕です。

むしろ、僕の精一杯です。

ブチ切れしてた割りには平和な結末で安堵している、僕です。
by kmshio | 2007-02-19 01:58 | 雑記